地球最後の24時間
 自動装銃を構えた男は思わず目を細める。その姿は眩しい光に照らされてはっきりと俺の目に映った。

 スポットライトを浴びたように光の帯に捉えられた暴徒らは、次の瞬間その身を破裂させ宙を舞った。

(ヘリか!)

 上空に戦闘ヘリが突然現れた。

 その両脇に装備された二十ミリ砲はうなりを上げ、惜しみない砲弾が橋上に浴びせられる。戦車の装甲をも貫く機関砲弾の餌食になれば、人間なら一瞬にしてミンチにされてしまう。

 悲鳴が天に轟いた。

 こちら側へ押し寄せていた暴徒は蜘蛛の子を散らすように向きを変え、今きた道を引き返し始める。

 一か八か、戻しそうになったアクセルに再び力を込めると、その機関砲弾を追うように肉片を敷き詰めた橋に突っ込んだ。
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