地球最後の24時間
大きなクレーターを前に上を見上げると、黒い山肌に高速道路のコンクリートが白く浮かび上がっていた。それは頭上で途切れ、そこが先ほどUターンした場所である事が分かった。
「しくったな。よく確認しときゃ良かった」
「一般道ならいくらでも抜け道はあるっしょ。心配ないよ」
再び少し戻った先に、山へと続く道が延びていた。
かなり細い山道だが、方角的にたいした回り道にはならないだろう。二台は迷わずその道を選び、木々の生い茂る険しい山へと進路を取った。
細い一車線の曲がりくねった道は普段でも交通量が少ないのだろう。木の枝が所々で道にせり出し、鬱蒼とした雰囲気を醸し出している。
「なあ! やばくね?」
斜め後方のあさきちから声が飛んだ。
「なにが?」
「出そう……」
「はあ?」
「俺お化け苦手だし!」
もうすぐ死ぬ人間の心理状態とは、とても思えない。返事をする気にもならなかった。
漆黒の山あいを二つのライトが右に左に舞うように縫ってゆく。端から見ればそれはあたかも光のダンスのようだった。
あと九時間――
「しくったな。よく確認しときゃ良かった」
「一般道ならいくらでも抜け道はあるっしょ。心配ないよ」
再び少し戻った先に、山へと続く道が延びていた。
かなり細い山道だが、方角的にたいした回り道にはならないだろう。二台は迷わずその道を選び、木々の生い茂る険しい山へと進路を取った。
細い一車線の曲がりくねった道は普段でも交通量が少ないのだろう。木の枝が所々で道にせり出し、鬱蒼とした雰囲気を醸し出している。
「なあ! やばくね?」
斜め後方のあさきちから声が飛んだ。
「なにが?」
「出そう……」
「はあ?」
「俺お化け苦手だし!」
もうすぐ死ぬ人間の心理状態とは、とても思えない。返事をする気にもならなかった。
漆黒の山あいを二つのライトが右に左に舞うように縫ってゆく。端から見ればそれはあたかも光のダンスのようだった。
あと九時間――