地球最後の24時間
「アンタの気持ちも分かるよ。けど俺は見捨てては行けないよ」
その目は頑とした意志を見せていた。さんざんおどけていた男が初めて真剣な顔を見せる。
(怖い顔すんなって……)
奴に任せておけばそれほど足手まといにはならないかも知れない。俺は折れた。
「この先から歩いてきたならどこかに親が居るかも知れんな。どうせ通り道だ。連れて行くか」
「死んでたらどうするよ?」
「お前に任せる」
自分のバイクに乗せようとあさきちが少女を抱きかかえた。すると、
「いやだ、いやだあ!」
と、少女は駄々をこね、ついに泣きだしたようだ。
「おいおい、何よ?」
「あっち」
伸ばしたひとさし指は俺に向けられていた。
「俺?」
思わずつられて自分を指差した。
抱えあげて後ろに乗せ、ボロボロにひび割れたヘルメットを被せる。サイズは大きすぎるが無いよりははるかにマシだ。
その目は頑とした意志を見せていた。さんざんおどけていた男が初めて真剣な顔を見せる。
(怖い顔すんなって……)
奴に任せておけばそれほど足手まといにはならないかも知れない。俺は折れた。
「この先から歩いてきたならどこかに親が居るかも知れんな。どうせ通り道だ。連れて行くか」
「死んでたらどうするよ?」
「お前に任せる」
自分のバイクに乗せようとあさきちが少女を抱きかかえた。すると、
「いやだ、いやだあ!」
と、少女は駄々をこね、ついに泣きだしたようだ。
「おいおい、何よ?」
「あっち」
伸ばしたひとさし指は俺に向けられていた。
「俺?」
思わずつられて自分を指差した。
抱えあげて後ろに乗せ、ボロボロにひび割れたヘルメットを被せる。サイズは大きすぎるが無いよりははるかにマシだ。