地球最後の24時間
(ひとりなのか?)

 自衛隊であれば単独で行動することはないだろう。その姿に奇妙な感じを覚えた。

 しかしその姿は見紛うことなく迷彩色の軍服に身を包んだ自衛隊員だ。他の隊員たちはやられてしまったのだろうか?

 そんな疑問を浮かべている間に、男らは全て血にまみれて地面に転がった。その様子は以前映画で見たマッチョな特殊工作員が悪役を退治する場面さながらだったが、映画と違って問題なのは奴から見れば俺たちも悪役に違いないことだった。

(あんな奴に狙われたらひとたまりもない!)

 直感で逃げる選択をした。あさきちにそれを告げようと口を開きかけたが、しかし──

「おーい、どもどもー!」

(馬鹿か、コイツは!)

 あさきちが無防備に声を上げる姿に絶句した。
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