地球最後の24時間
「いてもたっても居られなくて、独りで戻って来たの。そしたら……」
そこから先は想像がつく。
「みんな家族みたいに思ってたのに……ここだけは違うって思ってたのに……侑海だけにはこんな姿見せたくなかったのに!」
そこまで言うと、彼女は再び涙をこぼして嗚咽した。俺たちの代わりに侑海が母親の頭を撫でている姿が哀愁を誘う。
「旦那さんは?」
聞いちゃいけないだろ……と、あさきちを睨んだ。
「私の妹と一緒に……。最後まで守ろうとしたんでしょうね」
やるせない気持ちが胸に渦巻く。まったく人間という生き物は救いがない――。
話を長々と聞いている訳にもいかなかった。俺だって亜紀に会いたい気持ちはこの母親に負けるものではない。
「最期までしっかり侑海ちゃんを守って下さいね」
俺はそう言って立ち去ろうとする。しかしその去り際をまたしてもあさきちが邪魔をした。
「良かったら、最期に一緒に温泉に浸かりませんか?」
思わずその後頭部を激しく叩く。その姿に一瞬目を丸くした侑海の母親は少しだけ笑った。
そこから先は想像がつく。
「みんな家族みたいに思ってたのに……ここだけは違うって思ってたのに……侑海だけにはこんな姿見せたくなかったのに!」
そこまで言うと、彼女は再び涙をこぼして嗚咽した。俺たちの代わりに侑海が母親の頭を撫でている姿が哀愁を誘う。
「旦那さんは?」
聞いちゃいけないだろ……と、あさきちを睨んだ。
「私の妹と一緒に……。最後まで守ろうとしたんでしょうね」
やるせない気持ちが胸に渦巻く。まったく人間という生き物は救いがない――。
話を長々と聞いている訳にもいかなかった。俺だって亜紀に会いたい気持ちはこの母親に負けるものではない。
「最期までしっかり侑海ちゃんを守って下さいね」
俺はそう言って立ち去ろうとする。しかしその去り際をまたしてもあさきちが邪魔をした。
「良かったら、最期に一緒に温泉に浸かりませんか?」
思わずその後頭部を激しく叩く。その姿に一瞬目を丸くした侑海の母親は少しだけ笑った。