地球最後の24時間
この中にいれば聞こえないはずはない大音量に近くの人々は顔をしかめて耳を塞いだ。
(いないのか……?)
再び訪れた静寂の中、館内を見回すが返事をする者は誰一人いない。あさきちが再び大きく息を吸い込んだその時、背後から声が掛かった。
「あんたら北村さんの知り合い?」
驚いて振り向いた先には熟年の男性が立っていた。津波に巻き込まれたのだろう、包帯に巻かれた腕を首からぶら下げている。
「はい、知っているんですか?」
「亜紀ちゃんは見とらんがお父っつぁんなら血相変えて下を捜し回っとったぞ」
「お義父さんは生きてるんですか!?」
「あんたもしかして、亜紀ちゃんの前の旦那さん?」
「は……はい」
「死ぬ前に会えて良かったよ」
(いないのか……?)
再び訪れた静寂の中、館内を見回すが返事をする者は誰一人いない。あさきちが再び大きく息を吸い込んだその時、背後から声が掛かった。
「あんたら北村さんの知り合い?」
驚いて振り向いた先には熟年の男性が立っていた。津波に巻き込まれたのだろう、包帯に巻かれた腕を首からぶら下げている。
「はい、知っているんですか?」
「亜紀ちゃんは見とらんがお父っつぁんなら血相変えて下を捜し回っとったぞ」
「お義父さんは生きてるんですか!?」
「あんたもしかして、亜紀ちゃんの前の旦那さん?」
「は……はい」
「死ぬ前に会えて良かったよ」