地球最後の24時間
第二十話
広い――。
眼下に広がる、津波に押し流された爪痕はあまりにも広い。足元を照らす明かりから視線を上げると改めてそう思った。
(捜し出せるのか……?)
泥を拭いて時計を見ると、時刻はすでに午前零時を三十分ほど回っている。先程から手掛かりを見つけるために、救助隊や他の家族を捜す人を捕まえては質問を繰り返すが、返ってくる答えは同じだった。
「美鈴ー!」
そんな時、やや離れたところからその名前を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
(美鈴?)
その名前が頭に引っかかる。聞き覚えがあるのだ、確かに。しかし脳内の記憶を辿るがなかなか出てこない。
確か……
「お義母さんの名前だ!」
その声に角材で瓦礫を押し退けていたあさきちが手を止めた。
「どっから声がしたん?」
「もっと下のほうだ!」
眼下に広がる、津波に押し流された爪痕はあまりにも広い。足元を照らす明かりから視線を上げると改めてそう思った。
(捜し出せるのか……?)
泥を拭いて時計を見ると、時刻はすでに午前零時を三十分ほど回っている。先程から手掛かりを見つけるために、救助隊や他の家族を捜す人を捕まえては質問を繰り返すが、返ってくる答えは同じだった。
「美鈴ー!」
そんな時、やや離れたところからその名前を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
(美鈴?)
その名前が頭に引っかかる。聞き覚えがあるのだ、確かに。しかし脳内の記憶を辿るがなかなか出てこない。
確か……
「お義母さんの名前だ!」
その声に角材で瓦礫を押し退けていたあさきちが手を止めた。
「どっから声がしたん?」
「もっと下のほうだ!」