地球最後の24時間
 反応しない時間が何分にも感じる。

 しかしボタンが光を取り戻すと続いて画面が生き返り、俺の顔を照らした。三人は固唾を飲んでその画面を注視する。

 アンテナ表示が圏外を示していることからも、おそらく回線はすでに機能していないだろう。もしメールが届く前に電源が落ちていたとしたら絶望的だ。

 しかし確認した画面には『メールあり』の表示がなされていた。その表示に心が高ぶった。すぐさまメール画面を開くと、そこには、

(亜紀だ!)

 二件続けて亜紀からのメールが入っていた。

 ずっと連絡を取っていなかった。お互いに傷つきすぎて、そして、想い続けながらもその想いが強すぎて、メールすら送れなかったのだ。

 でもメールアドレスを変える事はなかった。それはひとえに亜紀からのメールを待つために……。それは亜紀も同じ想いだったのだろうか? 五年ぶりに届いた亜紀からのメール。

 こんな時でも胸が熱くなった。

 そしてそこにはたった一言。


『会いたい』


 その言葉だけが綴られていた。
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