地球最後の24時間
(これは……?)
時刻を確認すると13時32分と記録されている。
(あの時だ!)
谷底へ飛び込んだあの時、爆炎の中あきらめかけた俺の耳に飛び込んできたあの声。
あれは確かに亜紀の声だったのだ。
幻聴ではなかった。いや、亜紀の想いが幻聴を起こさせたのか?
はやる気持ちで次のメールを開くと、またしても同じ一言。しかしそこには画像が添付されていた。
その画像は二人が仲良く暮らしていた頃の懐かしい画像だった。亜紀と俺は頬を寄せ合い幸せの中にいた。
「うわ、めっちゃ可愛いし」
亜紀の顔を見てあさきちが思わずそう感想を洩らす。
その画面のなかにある風景に俺は目を奪われた。二人の顔の脇に薄桃色の花びらが咲き誇っている。それの意味するものが俺にははっきりと分かった。
亜紀が一番の幸せを感じた場所。そこで飲むコーヒーを何よりも楽しみにしていた場所。幸せな二人を包む桜の花と泉に映る山々。
そこには一片の不幸も存在することはなく、俺たちは幸せな未来しか信じていなかったのだ。
時刻を確認すると13時32分と記録されている。
(あの時だ!)
谷底へ飛び込んだあの時、爆炎の中あきらめかけた俺の耳に飛び込んできたあの声。
あれは確かに亜紀の声だったのだ。
幻聴ではなかった。いや、亜紀の想いが幻聴を起こさせたのか?
はやる気持ちで次のメールを開くと、またしても同じ一言。しかしそこには画像が添付されていた。
その画像は二人が仲良く暮らしていた頃の懐かしい画像だった。亜紀と俺は頬を寄せ合い幸せの中にいた。
「うわ、めっちゃ可愛いし」
亜紀の顔を見てあさきちが思わずそう感想を洩らす。
その画面のなかにある風景に俺は目を奪われた。二人の顔の脇に薄桃色の花びらが咲き誇っている。それの意味するものが俺にははっきりと分かった。
亜紀が一番の幸せを感じた場所。そこで飲むコーヒーを何よりも楽しみにしていた場所。幸せな二人を包む桜の花と泉に映る山々。
そこには一片の不幸も存在することはなく、俺たちは幸せな未来しか信じていなかったのだ。