地球最後の24時間
(よかった……本当に生きている)

 またあやしてやろうと思ったのだが、その小さな体は先に母親に抱き締められた。

「良かった、間に合って」

 我が子をあやしながらひろみはそう言った。

「助かりました……でもどうして?」

 あまりにもタイミング良く救助に現れたこと自体不思議でならない。ヘリの爆音のなか会話を続けた。

「レーダーに映るくらいの隕石はすぐ本部から連絡が入るのよ。そしたら鳥栖に落ちるって報告があったから、ちょうど通り道でしょ? ぶっ飛ばして来たってわけ」

「そうか……」

 またもや助けられた。しかしなぜ俺なんかの為にこうまでして……。

「福岡のどこまで? このまま送ってくからさ」

 思わぬ申し出に言葉を失った。いま湧いた疑問も吹き飛んでいく。


 しかし残念ながらその喜びはすぐ打ち消された。

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