地球最後の24時間
「やめろおーっ!」
助けに駆け出せない自分の足を恨んだ。
ようやくひとつとなった影は、炎を背に美しいシルエットを描いた。そのシルエットを見るだけで二人の心の内に俺はシンクロし、その感情が濁流のように流れ込んできた。
「逃げろー!」
俺の死力を振り絞ったはずの声が銃声にかき消される。
(助けたかったのに!)
抱き合ったふたりの体が弾かれ、のけぞった。
(やっと会えたのに!)
美里の長い髪が舞い上がる。血しぶきが次々と上がると、その影はゆっくりと崩れ落ちていった。
「なんで殺す!」
銃の掃射を受けた鎮圧部隊が応戦を始める。その弾丸の応酬が行われている真ん中で、二人は抱き合ったまま地面に転がった。
「お前ら人間か!」
悔し涙が止まらない。最期の美里の叫びが耳に残って離れない。目をつぶって走り出した坂下の姿が目に焼き付いて消えない。
助けに駆け出せない自分の足を恨んだ。
ようやくひとつとなった影は、炎を背に美しいシルエットを描いた。そのシルエットを見るだけで二人の心の内に俺はシンクロし、その感情が濁流のように流れ込んできた。
「逃げろー!」
俺の死力を振り絞ったはずの声が銃声にかき消される。
(助けたかったのに!)
抱き合ったふたりの体が弾かれ、のけぞった。
(やっと会えたのに!)
美里の長い髪が舞い上がる。血しぶきが次々と上がると、その影はゆっくりと崩れ落ちていった。
「なんで殺す!」
銃の掃射を受けた鎮圧部隊が応戦を始める。その弾丸の応酬が行われている真ん中で、二人は抱き合ったまま地面に転がった。
「お前ら人間か!」
悔し涙が止まらない。最期の美里の叫びが耳に残って離れない。目をつぶって走り出した坂下の姿が目に焼き付いて消えない。