地球最後の24時間
そして早由利と老人。
(あの爺さんにはちょっと気の毒なことをしたな)
早由利のまくしたてるように喋る姿が思い出されて、俺は一人微笑んだ。ずっと話し相手をさせられて、老人は辟易しているかもしれない。
ちょっとでも聞いていない素振りを見せると、すぐに目を覗き込んで文句を言う癖がある。それはあの老人でも持て余すことだろう。
(沙羅と佳絵はいまごろぐっすりだな)
両親や兄が穏やかに過ごせたことは何より良かった。きっとこのまま幸せな最期を迎えてくれるだろう。あのランドセル、実は結構良い値段だったのだ。それでも可愛い姪っ子の為なら何の躊躇もなかった。
ひろみと侑海とパイロットたち――。
考えて見ればあそこで侑海を助けなければ、いまここに生きていることはないのだから運命とは不思議だ。
(しかし、あの人の身のこなしは普通じゃなかったな)
自衛隊にも特殊部隊などが存在するのならば、きっとそんな類の人だったのだろう。
坂下と美里は最期には幸せそうな笑みを浮かべていた。
(きっと、あれで良かったんだ……)
(あの爺さんにはちょっと気の毒なことをしたな)
早由利のまくしたてるように喋る姿が思い出されて、俺は一人微笑んだ。ずっと話し相手をさせられて、老人は辟易しているかもしれない。
ちょっとでも聞いていない素振りを見せると、すぐに目を覗き込んで文句を言う癖がある。それはあの老人でも持て余すことだろう。
(沙羅と佳絵はいまごろぐっすりだな)
両親や兄が穏やかに過ごせたことは何より良かった。きっとこのまま幸せな最期を迎えてくれるだろう。あのランドセル、実は結構良い値段だったのだ。それでも可愛い姪っ子の為なら何の躊躇もなかった。
ひろみと侑海とパイロットたち――。
考えて見ればあそこで侑海を助けなければ、いまここに生きていることはないのだから運命とは不思議だ。
(しかし、あの人の身のこなしは普通じゃなかったな)
自衛隊にも特殊部隊などが存在するのならば、きっとそんな類の人だったのだろう。
坂下と美里は最期には幸せそうな笑みを浮かべていた。
(きっと、あれで良かったんだ……)