地球最後の24時間
 亀裂にタイヤを取られ、暴れるバイクをなだめすかしようやく立て直した時、今度は眩い光が目を射した。前方に広がる田園地帯。その地平線にそれは現れた。

(落ちたのか……?)

 光が走った先。巨大な爆煙がゆっくりとその姿を大きく広げてゆく。あまりにもおぞましく、あまりにも絶望的な光景。

「まさか?」

 バイクのスピードを落とし路肩に寄せた。

 まだ衝撃音は届いていない。しかし遠くから地面が波打ち、劇的な速さでそれが迫り来るのが目に入った。
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