地球最後の24時間
 救助活動をするのだろうか? それがいまさら何になるのだろうか?

(いや、少なくとも俺は救われたんだ)

 このまま起こされなかったらどのくらいの時間をロスしていたことだろう。ただ声をかけてくれただけにもかかわらず、これほど他人に感謝することは今までなかったと思うくらいありがたさを感じた。

「大丈夫、ありがとう!」

 思った以上の反応にその自衛隊員も苦笑いを浮かべた。

 こうしてはいられない。すぐさま起き上がると背中に激痛が走った。思わず苦悶の声が洩れるがそれすらどうでもいい。

(バイクは?)

 ここまで来て肝心のバイクが潰れていては話にならない。咄嗟に目を走らせた。見渡す限り瓦礫の山……唖然とするほどに破壊し尽くされている。

(あれは車……あれも違う)

 赤い物体に目を留め、それを確認してゆく……そしてそれは自分の想像よりはるかに力強くそこにあった。

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