地球最後の24時間
二十メートルほど前方に横たわる愛車は、見た限りどこにも損傷を受けてはいないようだ。風圧を受けにくいバイクだからこそ車ほど飛ばされることもなかったのだろう。
立ち上がり走り出すと背中だけでなく足、腕、満身創痍であるのが分かる。
苦痛をこらえながらも駆け寄ると、その頼りになるバイクを引き起こしにかかった。こんな時もっと軽い車体だったらと思うのだが、それは贅沢というものだろう。
その時ふっと腕の力が抜けるような感覚とともにバイクは引き起こされた。
「どこまでいくんです?」
振り返ると先ほどの自衛隊員が車体を支えている。不意に目頭が熱くなった涙が出た。
「福岡まで」
その言葉を聞くと、頷いて厳しい表情を見せた。
「この先、この道は跡形もありません。次の山陽インターまでは何とか通れますから、そこから中国山地を抜けて中国自動車道に抜けてください」
そう言うと親指を立てて一言『幸運を』と言った。
立ち上がり走り出すと背中だけでなく足、腕、満身創痍であるのが分かる。
苦痛をこらえながらも駆け寄ると、その頼りになるバイクを引き起こしにかかった。こんな時もっと軽い車体だったらと思うのだが、それは贅沢というものだろう。
その時ふっと腕の力が抜けるような感覚とともにバイクは引き起こされた。
「どこまでいくんです?」
振り返ると先ほどの自衛隊員が車体を支えている。不意に目頭が熱くなった涙が出た。
「福岡まで」
その言葉を聞くと、頷いて厳しい表情を見せた。
「この先、この道は跡形もありません。次の山陽インターまでは何とか通れますから、そこから中国山地を抜けて中国自動車道に抜けてください」
そう言うと親指を立てて一言『幸運を』と言った。