地球最後の24時間
 その二人は血にまみれた男たちを一瞥すると泣き崩れている女の前後にしゃがみ込んだ。が、その口から出てきた言葉は信じられないものだった。

「続きは俺たちがやってやっからよお!」

 耳を疑った。次の瞬間、新たな悲鳴を上げて引き倒される女。俺の怒りは沸点に達した。

「やめろおー!」

 心の叫びを抑えることが出来なかった。それは意図せず口からほとばしったのだ。

 先ほどの自衛隊員とはあまりに違う。こいつらのせいで彼の精神まで汚される気がして我慢は限界を越えたのだ。その声に二人の手は止まり、視線が俺に突き刺さる。

 そしてつぎの瞬間、銃口が火を噴いた。

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