地球最後の24時間
 連続した電子音がただ響く。画面には、『しばらくお待ちください』の文字が表示されている。指がかすかに震える。相手構わずかけてみるが、システムがダウンしていて、誰一人電話はつながらない。

 テレビでは先ほどと同じニュースが繰り返されている。

(何が起きてるんだ!)

 ベランダのカーテンを開け、外の景色に目をやる。普段と変わるところは一つもない。いや、変わらないでいて欲しいと願っていた。

(あれは……)

 ベランダから広がる街並みの上空に、見慣れない物体が浮かんでいる。やがて爆音を響かせ、それは形を明確にしていった。

 自衛隊の戦略ヘリ。空中に浮かぶその黒っぽい機体は編隊でこちらへ向かって来ていた。
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