地球最後の24時間
「違う!」

 俺は亜紀の言葉を遮った。

「亜紀じゃなきゃ俺は幸せになれないよ。世界中捜したって亜紀の代わりなんて居やしない」

 亜紀は少し寂しそうな表情で涙をこらえていたが、再び窓の外を眺めると最後にぽつり
と洩らした。

「それでも……子供が欲しいの」


 翌年の春、亜紀は妊娠した――。
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