Office Love 〜社長と私〜
へぇ・・・。社長、子供いたんですね。
今さらながら、知った事実に驚いてしまう。
「んー、まぁ。私達、ただの社員は関わることもないと思うけどね?」
「そうだね。」
そう。私達は、ただの何処にでもいる社員だから社長をお目にかかれる事は、一年に二・三回ぐらい・・・。
だから、あんまり新しい社長にも実感がわかなかった。
そんな話を由香里としていたら、仕事場に着いていた。
仕事場に入るなり上司の人に挨拶を軽くして、即座に机に向い、昨日まで作成していた資料の続きに取り掛かった。
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ふぅ・・・。疲れたぁ・・・。
長時間ひたすらパソコンを打つことだけに集中していたせいか、体がかたい。
んー、と大きく背伸びをして喉がカラカラしていることに気付いた。
お茶でも買いに行こうかな・・・。
資料も一段落ついたし。
コーヒーなら傍にあるけど、今はお茶って気分・・・。
「あの・・・鈴木さん。」
「何?どうかした?」
鈴木さんは、私の先輩で物分りが良く要領がいい美人さん。
「すぐ近くの自動販売機まで行きたいんですげど、平気ですか・・・?」
「えぇ。いいわよ。何か言われたら、私から言っとくわ。」
「有難うございます!」
すぐに立ち上がり廊下に出た。
・・・こっちであってるよね。
廊下を歩きながら、自動販売機の場所を確認した。