Office Love 〜社長と私〜
瞳を閉じている社長は、本当に美形。
女の人みたいに長い睫毛に、綺麗な肌。
それでいて整っている輪郭。
さらさらとした黒髪は、寝転がっているせいか妙に色っぽさを醸し出している。
女でも襲いたくなるような綺麗な顔。
心臓の動きが速くなって、顔に神経が集中されていて、赤さは消えない。
「早くしないと他の女のとこ行くぞ。」
瞳を瞑ったまま投げ掛けられた言葉。
他の女の・・・。
正直、どうしようもなく行って欲しくない。
その気持ちは、まだ知らないし分からないけど。
それでも、今はここに。
他の誰かじゃなくて。私の隣に居てほしかった。
「沙那・・・。」
呟かれた私の名前。
その瞬間、必要以上に高鳴る心臓。
「社長・・・、お願いします。」
ここから離れないで。
ゆっくりと社長の顔に自分の顔を近付け、触れるだけのキスをした。