Office Love 〜社長と私〜
心残しを胸にしまい、俺は社長室へと急いだ。
エレベーターに乗り少しの間だけ考える。
あの女の事を。
別にたいした事はしていないし、気にするような事は何もない。
なのに、浮かぶのはあの女の笑顔で。
はぁ、と一息ついて俺は最上階の社長室に着いた。
・・・変わってねぇ。
社長室に着くと、大きい扉を一回ノックし中に入った。
「俺だ。」
親父が椅子に座りながら、仕事をしていたので一言そう言った。
「おぉ・・・啓か!」
親父は、仕事をしていた手を休め俺の方を向いた。
「あぁ。これだろ?」
そう言いながら、椅子に座る親父の方に歩きながら資料を渡した。
「あぁ。ありがとう啓。」
「いつもの事だろ?」
そう言うと苦笑いをしながら資料を見ている。
「なぁ・・・親父。」
「何かあったか?」
「もうそろそろ俺が、フランスに勉強しに行くだろ?」
確か後1ヶ月もしない内に俺は勉強しにフランスに行く。
俺の話に相槌を打ちながら、話を聞いている親父。
「もし・・・上手く行ったら、この会社を暫く俺に任せてくれないか?」