Office Love 〜社長と私〜
「あぁ・・・。悪ぃ・・・。」
考え事をしていた俺には、親父の声は届いていなかった。
「この話は、また家に帰ってから話そう。今日は、久しぶりに早く帰れそうだからな。」
やっと声が届いたのが、安心したのか親父は目を優しく細めながら言った。
「分かった。」
俺は返事して軽く挨拶をし社長室を出た。
エレベーターから降りて、先程の部屋を軽く覗いてみた。
そこには、資料とにらめっこしている女。
困ったり、間違って慌てたり、資料が出来て笑ったり・・・まるで百面相だな。
無意識の内に、俺は自然に口元が上がっていた。
その後、家に帰り親父とフランスで上手くいければ、会社を暫く預けると。
そう約束をした。