Office Love 〜社長と私〜
俺に文句を言おうとした沙那はやっぱり泣いていた。
その姿は、あまりにも俺には弱く見えて。
凄く綺麗だと思ったんだ。
こんなの沙那に対してだけだ。
他の女だったら、綺麗なんて思うはずがない。
それにキスしたいなんて。
そう思ったのは、男の本能なのか・・・。それとも単に沙那が特別なのか。
そう思ったところで、抑えるわけもなく俺は沙那にキスをした。
このままキスをしていたら、気が狂いそうだ。
そのまま俺のものにしたいとさえ思ってしまう。
だから、素早く沙那を追い出して自分自身を保とうと。
そう思った。
―――――
今、思えば2年前から既に手遅れだった気がする。
例え、沙手を放す事があったとしても。
何度も、何年かけても。
捕まえてみせる。
「お前は、俺のものだろ?」
寝ている沙那に小さく言った。