Office Love 〜社長と私〜
私だってメールや、電話でもして確かめたいと思うわよ?
でも、携帯番号もアドレスも知らないんだもん。
社長こと知らない事だらけ。
不思議だよね。あんなにも近くにいたのに、今は遠くに行ってて手が届かないみたい。
「本当にどうしたら・・・」
「会いに行けばいいじゃない。」
後ろから聞こえてきたのは、凛とした強い声。
「す、鈴木さん・・・。」
「社長と何かあったんでしょう?」
コーヒーが入っているカップを片手に持ちながら話している鈴木さん。
絵になるなぁ・・・。
って!!
「な、ななんで知ってるんですか!?」
「この間、沙那ちゃんが乗ってるタクシーを偶然見かけちゃってね?」
「ほら。社長と一緒に乗ってたじゃない?だから、社長の事で落ち込んでるのかなってね?」
くすっと微笑みながら言う鈴木さんの言葉に声がでてこない。
まさか、誰かに見られてたなんて思いもしなかったから・・・。
じゃあ、他の人ももしかして・・・?
「周りに人がいなかったからそんなに考えこまなくても大丈夫よ。」
「そうですか・・・。」
良かった・・・。
もし鈴木さんじゃなくて他の人だったら、私は今頃大変な事になってる気がする。
鈴木さんで良かった・・・。