Office Love 〜社長と私〜
「だから、気になるなら会いに行きなさい?」
「・・・でも。」
ぽんっと近くにあった資料で軽く頭を叩かれた。
「でも、じゃないでしょ?ほら。早く行きなさい!」
半ば無理やり私を立たせて背中を押してくれた。
「・・・はいっ。」
私は部屋を出て急いでエレベーターに乗った。
ボタンを押すのはもちろん最上階。
エレベーターに乗ってる時間が長く感じてその分緊張が高まっていく。
って・・・、勢いできちゃったけど社長いるのかな。
迷惑になったりしないかな?
いざ社長室の前に来たら思考回路がマイナス方向にいってしまう。
う、やっぱり戻ろうかな・・・。
いや、でもここまできちゃったし・・・。
私は、ぐっと力を入れて目の前の扉をノックした。
・・・しーん。
そんな効果音が流れるくらい物音も、声も聞こえない。
「社長・・・いませんか?」
・・・しーん。
返事が返ってこない。