Office Love 〜社長と私〜
疲れてるんだから、わざわざ起こしたくない。
それが今の私の気持ち。
私が今起こしたら睡眠時間減っちゃうし、何より社長の負担になる。
それだけは嫌。
だから、気付かれないように社長の傍を離れようとしたら不意に掴まれた腕。
私の腕を掴んでるのは確かに社長の手。
起きてるの?
「さ・・・な・・?」
起きたばかりの弱々しい声で私を呼んだ社長。
「社長・・・ここに秘書の人からの伝言を書いた紙があるので目を通しておいて下さいね?」
これ以上邪魔にならない為に社長に優しく言って、部屋を出ようと思った。
それでも、手が離れない。
「社長?疲れているなら少しお休みになられては・・・。」
「無理に決まってんだろ。」
完全に起きてしまったのか。
今度は、はっきりと聞こえる声。
「ですが!」
社長は、こんだけの量の仕事をしている。
数少ない休憩を邪魔したくないのに。
困った顔をしている私を見ながら
「・・・もう、限界だ。」
「え?」
限界?何が・・・。
その瞬間に引っ張られた腕。
ふわっと社長の胸に倒れたと同時に感じる温もり。
「キスさせろ。」
社長の手が私の顎に触れ、強引に触れた唇に私の体温が急激に上がった気がした。