Office Love 〜社長と私〜
「・・・誰だ?」
「F会社の柚木と申します。」
それを聞いた社長は、一瞬曇った表情をした。
・・・っていうか、F会社の人がなんでここに?
F会社は、ここの会社の近くにあってライバルといえるであろう大手会社。
ここの会社には劣るが、普通の会社に比べれば相当な大きさだ。
そのライバル会社の人がなんで・・・??
それに、私がここにいたら確実にいけない気がするんだけど・・・。
そんな私の思いも虚しく、社長は扉に向かって入れと声をかけた。
私は扉が開く前に社長の身体と密着している自分の身体を離そうとしたのに。
社長は、ぐいっと私の腰を寄せ自分の膝に私を座らせた。
えぇぇぇ?!
「し、社長!!」
私が声を上げ、社長を顔をみて私は言葉を失った。
え?
ガチャと扉が開き、中に入ってきた人は、いかにも仕事の出来そうな人が来てるスーツを来ている爽やかそうな人だった。
私が想像していたよりも遥かに若い。と言っても、社長と同い年ぐらいにもみえる。
何かスポーツでもやってそうな雰囲気だ。
それにしても、さっきから社長はずっと無表情。
真剣な顔にも見えなくもないが、そういうのとはちょっと違う感じ。
「お邪魔しましたか?龍野社長?」
ちゃかすように笑う柚木さんに社長は、眉間に皺をよせた。
「その気色の悪い笑みと言葉は止めろ。」
柚木さんをにらみながら冷たい声色で言った。