占いの館へようこそ
オープンするにあたり色々な手続きを行ってくれたのは、隣の胡散臭い『柊探偵事務所』の柊 大二郎だった。

痩せて、吹けば飛ぶような風貌に似合わず、鋭い眼光を放つ柊は何かと頼りになる。

元々世話好きなのか、何かにつけてはしのぶを助けてくれている。

店を宣伝してくれたのは、1階に店を構えるサクラだった。

どこからどう見てもマッチョな女装おやじにしか見えないサクラだが、心は女性なので、細やかな気遣いでしのぶを包んでくれる。

店の内装や、しのぶの衣装もサクラのお手製である。


「子供っぽく見えないように、お化粧も覚えましょ」


あどけなさが消えないしのぶを、妖艶ささえ漂う女性に仕立て上げたのもこのサクラだった。

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