占いの館へようこそ
男は腑に落ちない顔をして、睨むようにしのぶを見た。

凄んでも一向に迫力も恐怖も感じさせない男だと思いながらも、微笑みを絶やさなかった。


「何で悩みや相手の性格まで話さなきゃならないんだよ」


「それは、より詳しく占いの結果や対処法等をお伝えする際の手助けになるからです」


本当の所は、相談者の性格と、対象者の性格から合うか合わないかを判断して、占い結果の善し悪しに関わらずそれなりに話を進めるために必要な材料となるのだが、そこは企業秘密。

客に聞かせる話ではない。

男はなるほどと頷くと、ゴクリと唾を飲み込んでから話しはじめた。
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