空の少女と海の少年


「──ん……。」


窓から入る朝日で目を覚まし
俺は起き上がって欠伸をすると
寝ぼける頭を働かせて思い出す


「無人島……だよな。」


まだ眠ってる奈々と陸……あれ?


「春?」


隣で寝てたはずの春がいない
俺は急いで小屋を出て
海に向かって走り出した

勘だけど、
あっちに春がいる気がしたんだ


俺の勘は見事的中
さすが俺。

海を見つめる春の隣に座ると
春は笑顔でおはよー。と言った


「……あのね、海斗。春、決めたよ。」

「ん?」

「春には力が無いけど、春もみんなを守れるくらいに強くなるから!まずは……筋トレ?」


キラキラと瞳を輝かせる春は
真剣な表情で海を見つめてる

俺は春にデコピンした


「いだいっ!」

「ばーか。春はそのままでいいんだよ。俺が春を守ってやるんだから。」

「やだーっ。春も守るーっ!」

「黙って守られてろ。」


言った後に恥ずかしくなって
春の髪をクシャりと撫でて
俺は立ち上がって小屋へ戻った

しばらく黙って
俺の背中を見つめてた春は
ハッとして立ち上がると
待ってよーっ!と走ってきて
そんな春が可愛くって
俺は小さく笑った


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