空の少女と海の少年


「………。」


春はそのまま立ち尽した


「奈々っ!もっと重くしてくれ!」

『50Kg』

「重っ!」

「なんだ陸。俺はまだまだ行けるぜ『100Kg。』──重っ!」


あははははっ

海斗がその場に倒れると
2人は爆笑して
海斗も倒れながら笑っている


春の頬に一滴の雫が流れた


……あれ
みんな笑ってるのに
一緒に笑いたいのに

なんで
なんで涙が出るんだろ


溢れる涙を拭い
みんなが笑う屋上に背を向け
春は静かに部屋へと戻った


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