空の少女と海の少年
「──わあっ!凄い!」
「ああっ!春ちゃん!勝手に行かないで!」
しょうがないな
溜め息をついて手を繋ぐと
びっくりしたように
顔を上げて照れる春ちゃん
……超可愛いんですけど
にやけそうになる口元を
押さえて顔を逸らす
だって今……絶対顔赤いって
「蓮?春あれ乗りたい!」
「どれ……え?」
春ちゃんが指差した先には
高速でレールの上を走り回る乗り物が
待て待て待て待て
あれは危険だろ
落ちるだろ
飛ばされるだろ
人間達はなぜ手を離してるんだ?
「……春ちゃんあれは危「こっちこっちー!」…はいはい。」
僕の意志を無視して
手を引っ張る春ちゃんは笑顔で
まあいっかって
軽い気持ちで乗った
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