空の少女と海の少年


「……れ…蓮、大丈夫?」

「……無理。」


それから色々乗せられた
でかいコップが回転するやつ
上に上がって一気に下に降りるやつ
船が一回転するやつ……

有り得ない
人間達はあれのどこが楽しいんだ?

ベンチに座って俯いていると
ほっぺに冷たい物が当たった


「はいっ林檎ジュース!」


顔を上げると
笑顔でジュースを差し出す春ちゃん

その笑顔を見た瞬間
気持ち悪いのが一気に吹き飛んだ


「ありがとう。」

「どういたしましてっ。なんか遊園地って懐かしいねー。」


林檎ジュースを飲みながら
楽しそうに話す春ちゃんに
僕はびっくりした


_
< 223 / 652 >

この作品をシェア

pagetop