空の少女と海の少年


「……懐かしい?思い出したの?」

「んー…なんかね。誰と来たのか分かんないんだけど……凄い楽しかった!ってゆうのは覚えてる。」


誰だろー?って
思い出そうとする春ちゃんを
僕はいつの間にか抱き締めてた

パコン

空になった紙コップが
地面に落ちたけど
そんなの気にしない


「………よ。」

「蓮?」

「思い出さないでよ。昔の事は忘れて……僕だけを見てよ。」


思い出したら
君は僕から離れていく
そんなのは嫌だ
ずっと隣にいてよ


僕 を ひ と り に し な い で


そう思っていたら
ふわりと抱き締められた


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