空の少女と海の少年


「っはあ……な…くぅっ!」

「耐えろ春。大丈夫、俺がいる」


苦痛に悲鳴をあげる春は
涙をポロポロと流す

海斗が抱き締める力を強めて
背中を叩いてあげていると
頭の中にミウの思考が響いてきた


『……これだから記憶の封印は厄介だ。一気に記憶が戻ることを体は拒否し、それにより激痛に襲われる…か。』

「春……。」


腕の中で細かく震える春は
さっきよりは落ち着いてきたが
まだ苦しそうだ


『海斗、融合を解こう。今の内にキラと融合しておいた方がいいよ。』

「分かった。──融合解除」


海斗の瞳は深い青色に戻り
隣にはミウが立っていた
春をミウに預けると
海斗はジュエルに触れた


_
< 242 / 652 >

この作品をシェア

pagetop