空の少女と海の少年


「…か…いと…?…ミウ?」

「春!」


海斗は春を抱き締めた
目を見開いて驚く春だが
顔を赤くしながら
海斗の胸にしがみついた


「……春、おかえり。」

「……ただいま、海斗…っごめんね。春……。」

「俺もごめん。春が辛い思いしてるのに、気づいてやれなかった……悪い。」


海斗は春の背中を
ポンポンと叩いてあげる

昔から春が泣いている時は
こうしてあげていた

春は落ち着いてきたようで
ありがと。と言って
離れようとするが


「……俺から離れるな。」

「……へ?」

「もう離さない。」


海斗は春を離さなかった
離したらまたどこかに
行ってしまいそうな気がしたから


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