空の少女と海の少年
「そして精神力とは能力を使用する為に必要な力じゃよ。ほれ、能力を使いすぎて頭がフラフラして何も考えられなくなって道の真ん中でぶっ倒れたこととかあるじゃろう?」
ねーな
ないわね
奈々と陸は目配せで
意思疎通している間にも
三田さんは話を進めていく
精神力の量は個人差があり
能力を使う為に必要な量がないと
いかに凄い力を持っていても使えない
精神力は睡眠等によって回復するが
最大値は生れつきの要素が強いのだ
「2人とも十分すぎる程の精神力を持っておる。それで総合的に判断した結果、めでたくSランクに認定されたということじゃよ」
「じゃああれか?Sランクってすげーのか!」
「おお、凄いとも。この世界にSランクはたった15人しかいないのじゃからな」
能力者の人口は徐々に増えつつある
それでも世界で数千人程だ
能力者達はその技量にあわせて
DからAの4つのランクに分類される
能力者の半数を占めるのは
DランクとCランク
残った半数のうちの
ほとんどを占めるのは
上位能力者Bランク
そして百人に満たない
最高能力者Aランク
「しかしAランクにも分類出来ない程の強大な能力を持つ者たち…それが君たち、Sランク能力者じゃ」
三田さんの話を聞き終えて
奈々と陸は息を呑んだ
そんな凄い力だとは
思ってもいなかった
「大丈夫、君たちならその力を正しく使うことができるはずじゃよ。とても綺麗な心を持っておるのだから」