空の少女と海の少年
‥*NANA's side*‥
トントントントン
玉ねぎを細かく刻みながら
奈々は溜め息をついた
《誰を守りたかったんだよ。》
陸……
トントントントン…ガンッ!
「あーっ!訳わかんない!いつもはあんな真剣な顔しないくせに!デレツンかっ!?つーか分かりなさいよ!分るでしょ!普通に分かるでしょーがっ!……あ。」
まな板の上にはてんこ盛りの玉ねぎが
やば……
玉ねぎ刻みすぎちゃった
こんないっぱいスープには使わないし
《奈々!俺ハンバーグが……あ、なっ何でもねえ!》
「………。」
冷蔵庫の中を探すと……合った
奈々はしばらく挽き肉を
見つめると料理を再開した
「……別に陸が言ったからじゃないし。たまたま玉ねぎを多く切っちゃっただけだわ。」
独り言を言いながら
ハンバーグをこねる奈々の顔は
少し赤く染まっていた
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