空の少女と海の少年


春と海斗は冷や汗をかきながら
顔を見合わせると頷いた


これが最後の作戦!
名付けて……


「ご馳走様。」

「「……え。」」


陸は食器を片付けると
先に寝ると言って
部屋を出て行った

春と海斗が唖然としていると
奈々が立ち上がった


……訳わかんない
いつもはもっとゆっくり食べるじゃない
美味しかったくらい言ってもよくない?
それとも不味かった?

あーもう!イライラする!


「……ご馳走様。片づけお願い。お風呂入ってくるわ。」

「「……はい。どうぞごゆっくり……。」」


奈々の気迫に
思わず敬語になった2人は
溜め息をついた


「……海斗、どうしよう。」

「……あ、俺にいい考えがある。」

「ほんと?じゃあこのサラダ頼んだ!」

「……は?話噛み合ってない……何これ。」


海斗が受け取ったのは
醤油のかかったサラダ

それをしばらく見つめ
春を見るとにこにこ笑っていた


「……何これ。シーザーサラダかかってたよね?」

「さっき醤油もらった時使わなきゃって思って…。」

「……はあ〜。」


海斗は深い溜め息をついた


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