空の少女と海の少年


「………。」


今言わなきゃ
言えない気がする


奈々は陸の方に向き直ると
小さな声で話した


「私がジュエル使った時は、蓮と戦った時。」


陸が奈々の方に向き直ると
奈々は視線を合わさないように話を続ける


「あの時……あんたが寝てるからいけないのよ…。わっ私が助けてやらないと、殺されてたかもしれないから……。」

「え……。」


陸は目を見開いて驚いたあと
小さく笑った

奈々は顔を赤くすると
陸に背中を向ける


「奈々ー、大好き。」

「……勝手にすれば。」


陸はベッドから降りると
奈々の所に行く
奈々が驚いて顔をあげると
唇が合わさった


ちゅっ


「……何す……。」


奈々は思わず叫びそうになったが
陸の切ない瞳を見ると黙った


「奈々、愛してる。」

「………。」

「俺と付き合って。」

「……勝手にすれば。」


奈々は照れながら言うと
陸は満面の笑みを浮かべて
奈々を抱き締めた


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