空の少女と海の少年


「じゃあ、ルールを説明すんぞー。競技中は能力使ってもOKだ。だけど、相手に重傷負わせたら失格だからなー。適度にやっつけて勝てよー。」


とても曖昧なルールを
担任が適当に説明すると全員頷いた


「ふあぁぁ〜。眠……。じゃあ午後はA組と合同実践だからな〜。」


あくびをしながら担任が
教室を出て行くと
授業の終わりを知らせる
チャイムがなった

春はニコニコしながら
隣に座っている海斗に話しかけた


「楽しみだねえっ!体育祭っ!」

「春と違う組だから嫌だ。」


超不機嫌に海斗が言うと
陸が笑い出した


「海斗っ!今回は負けを認めるのか?じゃあ奈々、体育祭は赤組の優勝だな!」

「はあ?私が陸に負ける訳ないでしょう。海斗、負けたら一週間ご飯抜きよ。」


奈々が睨み付けながら言うと
海斗は素直に頷いた
奈々に逆らったら
どうなるか分からない

奈央と玲と蘭は
相変わらずのハイテンションで
盛り上がっている

優と由紀はそんな光景を見ながら
クスクスと笑っていた


「¨負ける¨って言葉は好きじゃないんですよ。」

「奇遇だね。私もだよ。」


2人は顔を見合わせると
黒い笑顔で微笑んだ

それを見たみんなは
背筋に冷たいものを感じた


「「狙うは勝利のみ。」」


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