空の少女と海の少年


──マンションの屋上では
男が今の光景を見て笑っていた


「やるねえ、少年。氷を使うってことは水の能力者か、厄介だな。しっかしこの街……」


そこまで言って街を見渡す


数百年前からだった
人間が本来持つ筈の無い特別な力を
持って生まれる様になったのは

力を持った人間は
¨能力者¨と呼ばれた


最近では能力者は1000人に1人
ひとつの街に1人いるかいないかだ

能力者だと分かった者は管理の為
¨学園¨に入学しなければいけないし
卒業後には¨能力者協会¨に就職し
一般人とは違う生活を送る

生徒達は日曜日しか外に出かけられない
今日は水曜日、あの少年は生徒ではない

学園に入ってない能力者が
街にいるだけでおかしいのに


男は真剣な表情になり深い溜め息をついた


「この街は未確認の能力者が3人もいるじゃねえか。どうなってんだ……」


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