空の少女と海の少年
……沈黙
試合を見ていた生徒や審判は
遠くで倒れてる男を呆然と見つめる
「海斗ーっ!勝ったよーっ!」
全員ハッとしてコートを見ると
海斗に笑顔で手を振る春の姿が
海斗も手を振り返し
その横では奈々達がホッと
胸をなで下ろしていた
「……しっ勝者、楠木春っ!」
審判の笛が鳴り
春はコートから降りると
海斗が歩いて来ていた
「春、俺達以外に笑顔見せたらダメだからな。」
「へ?うん。」
春の髪を撫でながら
他の生徒達を睨みつけると
奈々達は笑いを堪えた
春は何も気付かないようで
ただニコニコと笑っていた
「春は天然だね。」
「てゆうか海斗のあれは威嚇?」
「春は自分のものだと、見せつけていますね。」
「「春ちゃん強いーっ!格好いいーっ!」」
春と海斗を見ながら
由紀達は話してましたとさ
_