空の少女と海の少年


「次は私だわ。応援よろしくね。」

「奈々っ!頑張ってねーっ!」


奈々がコートに入ると
服の裾を引っ張られた
振り返ると誰もいない


「下。下だよおばさん。」

「……おばさん?」


無表情
しかし怒りが体中から
溢れている奈々は下を向くと
玲・蘭と同い年くらいの
男の子がニヤリと笑っていた


「……学園では年上に対する言葉遣いは習わなかったのかな?」

「うっせえばばあ。」

「審判、さっさと始めなさい。」


無表情の奈々を春達は
ヒヤヒヤしながら見ていた


「奈々ー、頑張ってーっ!」

「あのガキ終わったな。」

「あれは¨殺して下さいっ☆¨って意味だと奈々は思ってるだろーな。」


奈々がにこりと微笑むと
悪寒が走った審判が
急いで笛を鳴らした瞬間
少年は星になった


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