空の少女と海の少年



……沈黙

試合を見ていた生徒や審判は
天井に開いた穴を呆然と見つめる


「大丈夫。そろそろ落ちてくるわ。」


全員ハッとしてコートを見ると
柔らかい空気の層を
作り出した奈々の姿が

春達は少し冷や汗を流しながら
奈々の所に歩いて行く


「……しっ勝者、柊奈々っ!」


審判の笛が鳴ると
奈々はコートから降りた


「……少し本気だしちゃったわ。」

「「「大丈夫だと思います!」」」


コートに作り出された
空気の層に少年は落ちてくると
目をぱちくりさせた

そして年上には敬語を
使う事を心に誓った


「恐ろしいね。」

「てゆうか由紀がそれ言う?」

「奈々を怒らせる=死ですね。」

「「奈々ちゃん強いーっ!格好いいーっ!」」


春と海斗を見ながら
由紀達は話してましたとさ


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