空の少女と海の少年


その後Aブロックでは
決勝戦が始まろうとしていた
決勝戦はホール全体を
使って対戦するらしく
生徒達は全員コートに注目していた

コートの上に立っているのは海斗と陸
2人のどちらが強いのかは
春と奈々ですら知らない

もちろん本人同士も


「いくら俺が強いからって、力2つ以上使うなよー。」

「使わねえよ。陸とは本気でやりてえからな。」

「準備はいいですか?では……始め!」


審判の笛が鳴り響くと共に
2人の距離は0になり
拳をぶつけ合った

その力は凄まじく
風となって周りを吹き飛ばした

生徒達は自分の前に
壁を作って防御しながら
目の前の戦いを見つめている


「やるじゃん海斗っ!」

「陸もなっ!」


後ろに跳んで距離を広げると
陸は火の玉を海斗に放った

それは海斗の前で
蒸発して水蒸気となると
氷の粒に変化して陸に向かっていく


『陽炎!』


陸がコート上の気温を一気に上げると
氷の粒は溶けて水になり床に落ちた


『やるじゃん。──凍世界!』


海斗が気温を一気に下げると
コート上の温度は
最初と変わらなくなった


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