空の少女と海の少年


「──おい。もう来るぞ。」

「奈々と楠木速すぎだろ〜。」


コースに立つ海斗と陸には
2人の姿がしっかり見えていた


「陸っ!」
「海斗!」


バトンを渡されるとニヤリと
笑った海斗は何かを呟いた


「任せろくすの──ふべしっ!?」


走ろうとした陸は見事にずっこけた

シーン
と効果音がつきそうな程
グラウンドが静まる中
海斗は速攻で走っていく


「……にゃろう!待て海斗ーっ!」


陸は起きあがると
炎を足に纏わせて
海斗を追いかける

奈々と春は陸の転けた所に
水溜まりができているのに気付いた


「海斗!どうせ凍らせるなら全部やりなさい!」

「陸ーっ負けたらダメだからー!溶かせーっ!」


2人は大声で叫ぶと小さく笑った


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