空の少女と海の少年
「つーかお前いつまでいるつもりだ。さっさと帰れ。」
「馬鹿?あそこで戦った瞬間から僕は裏切り者。魔界に帰る家はないの!」
「え?じゃあ蓮はこれからどうするの?」
不安そうに春が聞くと
蓮は笑顔でピースした
「今日からお世話になりまーす☆」
「ふざけるな、迷惑だ。なあ陸。」
「俺は別にいいぜー!なっ奈々!(だって海斗と蓮のバトル楽しいし。)」
まさかの回答に
海斗は奈々を見た
奈々なら絶対拒否するはず
しかし奈々は何かを企むような
黒い笑みを浮かべた
「私もいいと思うわ。」
「……はあ?」
顔をひきつらせる海斗とは対照的に
どんどん笑顔になっていく蓮は春を見た
「春ちゃんいい?」
「いいよー!約束だもんね!」
「……約束…覚えててくれたの?」
蓮が笑顔を消して真剣に聞くと
もちろん!と春はピースし
優しく微笑んだ
「もう……独りぼっちじゃないよ。春たちの仲間っ!」
「………。」
蓮は驚いて海斗を見ると
顔を逸らしながら頭を掻いている
「……別にどーでもいいわ。」
「古賀海斗……。」
「フルネーム止めろ。海斗でいい。……奈々、飯。腹減った。」
「はいはい。」
「俺手伝うぜ!」
不器用な海斗に小さく笑うと
奈々と陸は台所に行った
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