空の少女と海の少年


「──春ちゃんは僕の妹なんだ!」

「「「「………は?」」」」


いきなりずぶ濡れになって
帰ってきたと思ったら
いきなり春に向かって
¨君は僕の妹宣言¨した蓮を
春と海斗と奈々と陸の4人は
ポカンと口を開けて見た

ハッとした春は慌てて
風を起こして蓮を乾かし始めた


「……蓮、エイプリルフールはもう過ぎたわ。」

「違うって!嘘じゃないし!」


呆れたように言った奈々に
蓮は訴えるが相手にされず

陸はハッとして笑顔で
蓮の肩に手を置いた


「なる程な〜。楠木と兄弟ならいつか別れるかもしれない海斗よりも側にいられるもんな〜。」

「ふーん……陸は俺と春がいつか別れると思ってんだ?」

「あ!違う違う違います!これは言葉の文で「氷の彫刻にしてやるよ。」やめてー!!」


キレた海斗から逃げ回る陸を
つい哀れんでいた蓮は
隣りで乾かしてくれている春を見た


「本当なんだよ……。僕は春ちゃんのお兄ちゃんなんだ。」

「本当に?じゃあ蓮も空?」

『そうだよ。蓮は春ちゃんのお兄ちゃん¨空の王子¨だよ。』

「ウタ……。」


いきなり現れたウタが
真剣な表情でそう言うと
奈々や海斗と陸も蓮を見た


「君は風神?」

『蓮、君について全て話すよ。春ちゃん達にも聞いてほしい。』


ウタはそう言うと
さっき楽園で語られた話を
静かに話しだした


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