空の少女と海の少年
「海斗見てーっ。凄いでしょっ?」
海斗なら凄いな。って
笑ってくれるだろうと思って
春は笑顔で光の球を見せた
しかし、海斗の反応は
春の予想していたものとは違った
海斗は前を向いたまま
ああ。とそっけなく返事して
また先を歩いてしまった
春は一瞬固まった後すぐに追いかけて
海斗の顔を覗き込んだ
「何?」
「………。」
なんか……変だよ
いつもの海斗じゃない
海斗はいつも優しいのに
「海斗……春なんかした?」
不安そうに春が聞くと
海斗はピタリと足を止めた
「あんま力使うな。」
「でも……。」
「いいから。使う必要ないし。」
シュンとした春は光を消し
海斗の隣をトボトボと歩いた
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